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桐生の老舗銭湯「上の湯」が営業再開
祖父の意志受け継ぎ、孫夫妻が奮闘
2021.08.20
WEEKLY TOPIC  東毛  桐生市

 桐生市錦町の銭湯「上(うえ)の湯」が7月7日、5か月ぶりに営業を再開した。先代の孫の津久井美紅さんと夫の篤さんが5代目を継承し、リニューアル。店には連日、常連客を始め幅広い世代が訪れている。

若き夫妻が守る
老舗銭湯の歩みと桐生の銭湯文化

 使い込まれた木製の下足箱に、1回10円〜20円のあんま機やお釜ドライヤーなど懐かしい道具が残る店内。脱衣所の棚には常連客の“お風呂セット”が並び、地域に親しまれている様子がうかがえる。

 昭和初期に創業した上の湯は80年以上の歴史を持つ老舗銭湯だ。美紅さんの祖父母である笹倉幸一さん、文子さん夫妻が1984年に親戚から引き継ぎ、4代目として切り盛りしてきた。しかし今年2月、幸一さんが入院したことから休業を余儀なくされ、廃業も検討していた。そんな中、「再開を待ち望む常連客のために店を残したい。桐生の銭湯文化を守りたい」と美紅さんと篤さんは家業の継承を決めた。

 交際中だった2人は5月、決意を持って結婚。それを見守るかのようにして数日後、幸一さんは78歳で息を引き取った。幸一さんが担当した釜場には現在、篤さんが立つ。慣れない機械操作に苦戦するも「いい湯加減でした」という客の言葉に励まされる日々だという。

昭和レトロな雰囲気は生かしつつ
快適に生まれ変わった店内

 再開に際しては老朽化した箇所を修繕したほか休憩用スペースを新設、番台から脱衣所が見えないように改装も行った。それでも、祖父母から譲り受けた昔ながらの雰囲気は大切に守り続ける。中でもコイなどが描かれた浴槽のタイル絵はぜひ注目してほしいという。

 休業中に始めたSNSの効果もあり、若い層の利用も目立つ。幅広い世代の交流拠点として、今後は街の情報を発信していく予定だ。「しょうぶ湯やゆず湯などの風習も伝えていけたら。じいちゃんの歳に並べるよう50年続けるのが目標」と津久井夫妻。その熱い気持ちで、これからも多くの人の心や体をポカポカにしてほしい。

データ
上の湯

桐生市錦町1-8-11
※徒歩1分の場所に駐車場(8台)あり。


14:00~21:00


中学生以上400円、小学生180円、幼児80円


月曜


0277-43-8656


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