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見る人の心に寄り添う詩画を紹介
みどり市の富弘美術館 開館30周年
2021.04.16
WEEKLY TOPIC  みどり市  東毛

 みどり市出身の詩画作家・星野富弘さんの作品を展示する「富弘美術館」が今年で開館30周年を迎える。

星野さんの古里に立つ美術館
原画ならではの魅力を伝える

 同美術館は1991年、勢多郡東村(現みどり市)のふるさと創生事業として、草木湖の畔に立つ福祉施設を転用し開館。頸髄(けいずい)損傷で手足の自由を失う中、口に筆をくわえて文と絵を書き、詩画というジャンルを確立した星野さんの作品を収蔵、展示した。

 開館当時、すでに全国で巡回展を開催し、詩画集も出版していた星野さんの知名度と、見る人の心に寄り添う作品の影響力は大きく、県外からも多くの人が訪れた。ピーク時は年間42万人の来館者数を記録したという。

 2003年には建物の老朽化や収納庫の不具合から新館の建設に着手し、05年に移転した。新館は柱を使わずに33の円筒形の部屋が自立する構造で、来館者を緩やかな曲線で作品の世界へいざなう。

 同美術館は定期的に企画展を開催し、星野さんの作品の魅力を発信してきた。2021年3月時点で累計来館者数は700万人目前に。学芸員の桑原みさ子さんは「直筆の作品には、印刷物では伝えきれない色の透明感や奥行きがあります。また、その時の心境で心に響く作品が異なるので、何度でも訪れてもらいたい」と語る。

作品の変遷をたどる30周年企画展

 同美術館では8月29日まで、30周年記念企画展「星野富弘 詩画の世界―明日へ続く道―」を開催中。幼少期から近年までの星野さんの作品を展示し、これまでの変遷をたどるほか、音楽や朗読などとの結び付きによる新たな詩画の可能性も探る内容だ。作品以外の資料は極力展示せず、作品だけに集中できるので時代ごとの変化に気付きやすい。桑原さんは「100点もの作品が並んで見応えがあり、分かりやすい企画展です。開催期間も長いので、ぜひ見に来てください」と呼びかける。節目のこの機会に、星野さんの原画を鑑賞してみては。

データ
開館30周年 富弘美術館

みどり市東町草木86


9:00~17:00


大人520円、小中学生310円、未就学児無料


11月まで/5月31日、8月30日、11月29日
12月~3月/月曜(月曜が祝日の場合は火曜)、12月26日~1月4日


0277-95-6333


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