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日本の蚕業を桐生から発信
NNWのまちなか養蚕拠点に注目
2022.06.16
WEEKLY TOPIC  東毛  桐生市

シルクラボ公開の様子

 桐生市のベンチャー企業「NEXT NEW WORLD(ネクスト ニュー ワールド、以下NNW)」が、織物産地として知られる同市で国産シルクを再興し、シルク製品を販売しようと取り組んでいる。

可能性を秘めたシルクに着目
織物の伝統が息づく桐生が舞台

 NNWはアマゾンジャパンの元部長で、大手アパレル会社の取締役も務めた高嶋耕太郎代表が昨年設立、今春本社を桐生市に移した。会社のテーマに持続可能な社会を掲げ、アパレルやコスメ産業から出る二酸化炭素の削減を目指している。こうした目標を持つ中で、環境への負荷が少なく、さまざまな利用の可能性があるシルクに着目した。

 まず本町6丁目の空き倉庫を「シルクラボ」として約3万匹の蚕を飼育。桐生のまちづくり会社「UNIT KIRYU(ユニット キリュウ)」が業務委託を受ける形で、昨秋と今年5月に2回の養蚕を行った。今年春には蚕の餌となる桑を育てるため、同市黒保根地区に桑園も開墾し、約2,000本の苗を植えている。

 6月5日には、シルクラボの一般公開イベントを開催。蚕を繭作りする枠に移す上蔟(じょうぞく)のタイミングに重なったため、訪れた人たちも桑の葉の乗る餌場から蚕を取り上げる作業を体験した。そのほか糸を取る座繰り体験や昆虫食にまつわるトークセッションも行われ、多くの人が訪れた。

桑園で新しい桑苗を植える

シルクラボ公開の様子

 登壇した近畿大学大学院生で「昆Tuberかずき」として知られる清水和輝さんは、NNWのシルク由来食品担当取締役でもあり、同社が7月販売予定の「シルク煎餅(せんべい)」も紹介。蚕のさなぎの乾燥粉末を仕入れ、東京・銀座の「松崎煎餅」と共同開発した。煎餅に先行して自社のシルクを使ったせっけんも開発。自社サイトや都内の百貨店で販売している。

 NNWの取締役で、同市本町にオフィスを持つIT企業「CICAC(シカク)」代表でもある今氏一路さんは、「絹糸や織物にこだわらず、現在の技術を取り入れ、今の生活スタイルに合う形で蚕業を残したい」と話す。10月には、間もなく同市にオープンする「ニッポンの神業ミュージアム」との連動イベントも予定している。織物産地として名をはせた桐生から、シルクの新たな価値が生まれそうだ。

近く販売される「シルク煎餅」

データ
NEXT NEW WORLD

桐生市本町6-2


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