前橋市中心商店街に新しい店舗が増えてきた。特に中央通りや、「白井屋ホテル」裏の馬場川沿いが活発だ。11月にオープンした2店とともに、市街地活性化の動きを紹介する。

　11月1日にオープンした「本の家2」は、珍しい絵本専門店。たかさき絵本フェスティバルを開催し、読み聞かせなどで本の楽しさを伝えるNPO法人「時をつむぐ会」が運営する「本の家」（高崎市）の続木美和子代表の協力を得て、前橋市の朝日印刷工業株式会社・石川靖代表が個人として開いた。子供が喜ぶのはもちろん、親世代にも懐かしい絵本や児童書が並ぶ。石川代表は「絵本を紙で読んだ経験は大切な思い出になる。そうした経験を含めた知性を育む場所にしたい」と話す。石川知恵子店主は「来年はワークショップや読み聞かせも行う予定。息の長い絵本文化を広めたい」と意欲的だ。

　市街地エリアの新しい変化を表現するシンボル的な建物「白井屋ホテル」には、9月のカフェに続き、11月3日に敷地内店舗「白井屋ザ・ベーカリー」がオープンした。今日19日からは国道50号と馬場川通りを結ぶパサージュ（歩行者通路）に鬼頭健吾さんのアートイルミネーション作品を設置し、1周年の12月12日を迎える。

　前橋市では、市の未来を見据えて2016年に策定されたビジョン『めぶく。』に沿った活動が進む。2019年には官民が連携して中心市街地の活性化に取り組む「前橋市アーバンデザイン」が策定された。閉めていた店を民間のまちづくり団体の協力で再生し、若い起業家が活用するケースも多い。そうした団体の1つ「前橋デザインコミッション」の企画局長・日下田伸さんは「かつてと同じように人が集まる場所だと気づき始めた人が、中心街に新しいチャンスを求め挑戦している」と話す。

　少しずつ、確実に変わっていく前橋市中心商店街。新しい“芽”が出始めた街の活気を感じに、ぜひ訪れてほしい。

住所

前橋市千代田町2-7-25

営業時間

11：00～17：00

休み

日曜、月曜、祝日

問い合わせ

027-212-7273

住所

前橋市本町2-2-15

営業時間

8：00～18：00

休み

⽉曜（祝日の場合は翌日）

問い合わせ

027-231-2020