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萩原朔太郎、没後80年の節目に
全国の文化施設で企画展等を開催中
2022.11.25
WEEKLY TOPIC  中毛  前橋市

原画:横尾忠則 ポスターデザイン:榎本了壱 前橋文学館提供

 前橋市出身の詩人・萩原朔太郎の没後80年を記念し、10月にスタートした共同企画「萩原朔太郎大全2022」。全国の文化施設等で朔太郎に関する展覧会やイベントが開かれている。

北海道から九州まで52施設が参加

 “日本近代詩の父”と称される萩原朔太郎。感情の奥底を口語の緊迫したリズムで表現した詩は、詩壇の歴史を大きく変え、現代にも力強い印象を残す。大全は、朔太郎の孫で演出家でもある前橋文学館の館長・萩原朔美さんが発案。言葉が軽んじられる場面を多く見聞きする今、「言葉について考え続けた朔太郎の詩や批評を手がかりに、改めて言葉や表現について考察する機会を」と呼びかけた。

 賛同したのは、全国の文学館や美術館、大学といった52施設で、朔太郎が生きた時代や縁ある人物を取り上げるなど各々の切り口で開催。前橋文学館によれば、これほど多くの施設が同時期に同じ人物をテーマに企画を行うのは初めてという。

自筆原稿「竹」 前橋文学館提供

第一詩集『月に吠える』 前橋文学館提供

県内7館で開催、記念映画公開も

 県内では現在、県立土屋文明記念文学館や県立近代美術館など7施設で企画展を展開中だ。事務局でもある前橋文学館では、「萩原朔太郎研究会」の歴代会長に焦点を当てた展示を実施。詩人・伊藤信吉を始め、5人の会長が朔太郎をどう捉えたか紹介している。また12月には、大全の記念に製作され、朔太郎の弟子・三好達治をモデルにした映画「天上の花」も公開される。

 萩原館長は「すてきな言葉やフレーズと巡り合える機会。ぜひ各館をはしごして楽しんでもらえたら」と呼びかける。前橋市出身の偉人が紡いだ詩に触れ、言葉が持つ豊潤さや美しさを感じてみてほしい。

萩原朔太郎肖像(大正13年頃) 前橋文学館提供

《県内の企画展》

◆私の同郷の善き詩人
【会期】10月8日~12月18日
【会場】群馬県立土屋文明記念文学館

 

◆萩原朔太郎の生きた時代
【会期】10月8日~12月4日
【会場】群馬県立歴史博物館

 

◆「萩原朔太郎大全2022」連携展示 詩とイメージ ―司修作品を中心に
【会期】11月1日~12月21日
【会場】群馬県立近代美術館

 

◆開館40周年記念テーマ展示 前橋藩から朔太郎へ ~母方八木家と藩士諸家の文書展~
【会期】8月6日~12月25日
【会場】群馬県立文書館

 

◆萩原朔太郎大全2022 ―朔太郎と写真―
【会期】11月19日~2023年3月5日
【会場】アーツ前橋

 

◆いつか私は詩人朔太郎に出会う運命にあった ―前橋市立図書館と渋谷国忠―
【会期】10月1日~2023年1月15日
【会場】前橋市立図書館

 

◆そこに何をみたか ――萩原朔太郎研究会58年の軌跡 萩原朔太郎研究会歴代会長展
【会期】10月1日~2023年1月15日
【会場】前橋文学館

データ
朔太郎大全実行委員会事務局

前橋市千代田町3-12-10(前橋文学館内)


027-235-8011


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