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群馬の鳥類化石が新属新種と判明!
自然史博物館で6月12日まで展示
2022.05.20
WEEKLY TOPIC  富岡市  西毛

 群馬県立自然史博物館(富岡市)は4月28日、所蔵する鳥類の化石2種が新属新種と判明したことを発表した。同館では6月12日まで、この2種に関する緊急展示を行っている。

ヒナを背負う進化をしたハクチョウ

 新種と判明した化石の1つは、2000年に安中市原市の碓氷川河床、約1150万年前の地層(安中層群原市層)から、安中市のアマチュア収集家・中島一さんが発見。化石は重要な部分のほとんどが良好な状態で残り、ハクチョウの仲間だが、飛べない小さな翼を持つ特徴から「アンナカコバネハクチョウ」の通称が付いた。

 その後、化石の寄贈を受けた同館と、京都大学の松岡廣繁助教が約20年にわたって共同研究を実施。その結果、背中側に引き上がった翼の骨格から、ヒナをおんぶする特殊な進化をした可能性や、現生のハクチョウに比べくちばしの下顎が湾曲しており、水面の餌をこし取る濾過食に適応していたことが分かった。こうした特徴を持つ鳥類は世界中の化石種や現生種に認められなかったため、新属新種と断定。化石発見者と地名から「アンナカキグナ ハジメイ」の学名が付けられた。

 もう一方は、1995年頃に吉井町(現高崎市)の同じ地層で発見された鳥類のすねの一部の化石。「アンナカキグナ ハジメイ」の化石と形状が似ているが、約1.3倍の大きさであることから同属の新種「アンナカキグナ ヨシイエンシス」とした。2種は群馬が海だった頃に、同一海域で共存していたと考えられるという。

アンナカキグナ ハジメイの復元図(群馬県立自然史博物館提供)

太古の群馬に思いをはせて

 展示では2種の実物化石と、「アンナカキグナ ハジメイ」の全身骨格レプリカ、解説パネルが並ぶ。実物化石は現生ハクチョウの骨と並べて展示されており、違いを比較できる。同館の地学研究係長・髙桒祐司さんは「特徴が出ている下顎や翼に注目してほしい。太古の群馬の海にこんなハクチョウの仲間がいたんだなと、思いをはせてもらえれば」と来館を呼びかける。ユニークなハクチョウと当時の群馬について、想像を膨らませてみては。

データ
緊急展示! 太古の群馬にいた「飛ばない」ハクチョウの仲間 アンナカキグナ

6月12日まで 9:30~17:00
※入館には同館公式サイトから事前予約が必要。


群馬県立自然史博物館 エントランスホール


富岡市上黒岩1674-1


入館料/一般510円、高校・大学生300円、中学生以下無料


月曜


群馬県立自然史博物館 0274-60-1200


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