群馬県で活躍するさまざまな“輝く人”を紹介するコーナー。今回はディスクドッグ世界チャンピオンの平井皇介さんが登場。ディスクドッグとは、競技者が投げた円盤状のフライングディスクを犬がキャッチし、その得点を競うスポーツだ。昭和村でドッグスポーツの大会運営などを手がける「ドグタウン工房株式会社」のスタッフでもある平井さん。そんな彼のこれまでの歩みや、今後の活動の展望を取材した。

ドッグスポーツトレーナー　平井 皇介さん（29）

PROFILE

　1991年6月18日生。北海道出身、昭和村在住。19歳から本格的にディスクドッグを始め、2017年に世界大会「USDDNワールドファイナルズ」のスーパーオープンフリースタイルで優勝。2019年にも世界大会「AWIワールドチャンピオンシップ」で優勝を果たし、2つの世界大会でチャンピオンに輝いた。父の寧さんや兄の俊介さんらとともに、世界を代表するドッグスポーツプレーヤーとして世界に知られている。

　平井さんは父・寧さんが北海道で犬ぞりマッシャー（操縦者）として活躍していたため、幼い頃から犬に囲まれて育った。平井さんが1歳の時に一家は群馬県昭和村に引っ越し、「ドグタウン工房株式会社」を設立。ディスクドッグを始めとするドッグスポーツの関連事業を開始し、平井さんもドッグスポーツに親しんだ。しかし、小学生から高校生まではサッカー優先の日々に。そんな中「大学受験の英語の勉強になれば」と、海外講師によるディスクドッグのセミナーを受講。そこでディスクドッグの楽しさを再認識した平井さんは再び競技を始め、ドッグスポーツトレーナーとしての道を歩むことを決めた。

　19歳で本格的にドッグスポーツを始め、1年後の2012年にアメリカで開催された「USDDNワールドファイナルズ」のスーパーオープンフリースタイルに出場。初めて自分で育て上げたパートナー犬・ジェイクとともに初出場で準優勝に輝いたが、その後も翌年、翌々年と優勝にあと一歩届かず、悔しい時期を過ごした。平井さんとジェイクが次に同大会に挑んだのは2017年。ジェイクの年齢的にラストチャレンジとなる大会で見事優勝し、念願の世界チャンピオンとなった。

　平井さんは「ジェイクはとても能力が高く、大会では自分が犬に助けられていたことに気付いた」と振り返る。それまでは人が犬をトレーニングする立場で、どうすれば犬が上達するかを考えていた。しかし、実際は「人が成長することで犬も成長する」と分かったという。

　その後も2019年に開催された世界大会「AWIワールドチャンピオンシップ」で現在のパートナー犬・グリーディーとともに優勝。第一線で活躍する傍ら、ドッグスポーツのレッスンや無料しつけ教室、イベントや大会の企画運営などを行い、その普及に取り組んでいる。

　コロナ禍の現在は、レッスンのオンライン化やSNSでの情報発信にも力を入れている。「今後は更に発信活動に取り組み、ドッグスポーツが多くの人の目に触れる機会を増やしていきたい」と語る。ドッグスポーツ界を盛り上げるべく活動する平井さんの今後に注目だ。

■ ディスクドッグ以外に行っているドッグスポーツは
フライボールや犬ぞりをやっています。フライボールとは、犬が4つのハードルを飛び越え、ボックスから飛び出したボールをくわえて戻ってくるまでのタイムを競う競技です。犬ぞりは、みなかみ町や赤城山で一般の方に向けた体験イベントとしても行っています。

■ ドッグスポーツをする時に大事にしていることは
尊敬しているアメリカの恩師から教えてもらった“エンタートレインメント”の精神です。エンターテイメントとトレーニングを合わせた造語で、競技をしている自分たちはもちろん、見ている人も楽しめるようなプレーをすることを心がけています。

■ 普段の練習量は
自宅近くの練習場で週4日ほど練習しています。犬は人間と同じで1匹ずつ性格が違うので、1回の練習時間はその犬に合わせて調整しています。

■ 犬とよく遊びに行く場所は
前橋市にある「CA BOTCHA」です。ドッグランにドッグカフェやドッグジムなどが併設されているインドア施設で、犬とゆっくり過ごすことができます。

■ ドッグスポーツの魅力は
ドッグスポーツを通じて色々な出会いが生まれるところです。私の場合、ドッグスポーツ仲間のほか、セミナーを受けてくださる方々など、たくさんの人と出会うことができました。

仕事の依頼や問い合わせ／【HP】http://dogtownfactory.com/