群馬県で活躍するさまざまな“輝く人”を紹介するコーナー。今回はイラストレーターのワニマックスさんを紹介。カワウソの一家が登場するレシピ漫画を、毎週日曜に自身のTwitterで投稿し、食欲をそそる簡単レシピとかわいらしいイラストで話題を呼んでいる。そんなワニマックスさんのこれまでの歩みや、今後の活動の展望などを取材した。

イラストレーター　ワニマックスさん

PROFILE

　6月19日生。高崎市在住。幼少期を祖母の家で過ごすことが多かったため、祖母の料理を食べて育つ。大学卒業後、デザイン関係の仕事を経てフリーのイラストレーターとして活動。水族館でカワウソに一目ぼれしたのを機に、カワウソの一家が登場するレシピ漫画を自身のTwitterに投稿し、人気を集めている。今年5月に「読んで楽しく作っておいしい! カワウソ一家のしあわせごはん」をKADOKAWAから出版。

　ワニマックスさんがカワウソ一家のレシピ漫画を投稿するきっかけとなったのは、“祖母の料理”と“水族館での出会い”だった。

　小学生の頃まで、両親が働いている時間を祖母の家で過ごすことが多かったワニマックスさんは、幼い頃から祖母の料理を食べて育った。高校生になると調理実習を機に料理が好きになり、図書館のレシピ本を丸写しして料理に挑戦するほどだったという。そんな中、ワニマックスさんが大学生の時に最愛の祖母が亡くなってしまう。「大好きな祖母の料理をもう一度食べたい」と、自身の記憶や親戚の話を頼りにその味の再現を試みるようになっていった。

　絵を描くことも好きだったワニマックスさんは大学卒業後、デザイン関係の会社に就職した後、フリーのイラストレーターとして活動。祖母の味を追求するうちに、「家族」と「祖母の料理」をテーマにした漫画を描きたいと思うようになっていった。そんなある日、ワニマックスさんはたまたま訪れた水族館で見たカワウソのかわいらしさに一目ぼれしてしまう。後日、テレビ番組で家族愛が強いカワウソの生態を知り、描きたかった「家族」をカワウソの一家で表現することを決めた。

　初めはカワウソ一家の日常をTwitterに投稿していたが、祖母の味の再現に成功してからは徐々にレシピ漫画へと移行。自ら考案した身近な食材で簡単に作れるレシピも加え、温かみのあるイラストで紹介すると人気を集めた。2019年に投稿した「厚揚げチーズベーコン巻き」のレシピは、11.7万いいねを記録し話題に。ワニマックスさんは「こんなに必要とされているなら、もっと描きたい」と、カワウソたちにセリフを付け、材料の分量も細かく掲載するようになったという。今年5月には、自身初のレシピ漫画本も発行した。

レシピ漫画の制作画面

　ワニマックスさんはレシピ漫画について「ちょっとした空き時間に気分転換のツールとして読んでもらいたいです。そして実際に作ってもらい、皆さんの食卓の役に立てれば一番うれしい」と語る。今後は、県内飲食店の料理を紹介するレポ漫画や、群馬の郷土料理のレシピ漫画にも挑戦したいというワニマックスさん。これからも活動の幅を広げる彼女の作品に注目だ。

■ レシピはどのように考えていますか？
まずはスーパーに買い物に行き、旬の野菜や手頃な価格の食材を購入します。その後、家の冷蔵庫にある残り物や調味料を見て、おいしくなりそうな組み合わせと調理方法を考えています。実際に作ってみて、おいしかったら紹介するようにしています。

■ レシピ漫画を描くうえで大切にしていることは
レシピは「簡単」「おいしそう」「お手軽」を重視して構成しています。下ごしらえに少し手間がかかるものでも、調理はできるだけ簡単になるようにしています。イラストは、見る人にほっと一息ついてもらえるように意識して描いています。

■ 作品に登場するキャラクターたちのモデルは
「ばーちゃん」「じーちゃん」は私の母方の祖父母、「とーちゃん」「かーちゃん」は、私がお世話になっている和菓子店のご夫妻をモデルにしています。「ねーちゃん」「ちーちゃん」は私と妹がモデルで、「ねーちゃん」の不器用なところは私の性格に由来しています。

■ オフの時間は何をして過ごしていますか？
海外ドラマや映画を鑑賞したり、ゲームをしたり、近くの公園に散歩に出かけることもあります。散歩先で目に付いたものをスケッチするなど、何も描かない日はないくらい、毎日何かしら絵を描いています。

Twitter【アカウント】ワニマックス／レシピ漫画日曜更新

〈書　籍〉
読んで楽しく作っておいしい! カワウソ一家のしあわせごはん
【出版社】KADOKAWA
【料金】1,320円 ※全国の書店で販売中。

〈展覧会〉
ワニマックス複製原画展「カワウソ一家のしあわせごはん」
【期間】6月末まで
【会場】前橋リリカ1階 アートスープ前橋リリカ支部