群馬県民なら誰もが知っているあんなものやこんなもの……。それらを運営する地元企業の歴史やこだわりを紹介するコーナー。今回は、藤岡市を中心にクリーニング店を多店舗展開している「株式会社クリーニングホシノ」をご紹介。クリーニングを行う工場や同社の歴史、こだわりを取材した。“早く、キレイに仕上げる”ことを追求し、さまざまなサービスや設備を充実させてきたクリーニングホシノ。その魅力と秘密に迫る。

　「株式会社クリーニングホシノ」は、藤岡市に本社を置くクリーニング会社で、1936年に開業。当初は外回りで注文を受けていたが、1979年に店舗を設け、来店型に移行。当時は珍しかった「即日仕上げ」（日曜、祝日を除く）のサービスもスタートさせた。1981年には有限会社に組織変更し、本社工場を藤岡市に新設。本格的に多店舗展開に踏み切ると、スーパーや大型商業施設内に次々と店舗をオープンさせ、1990年には15店にまで店舗数を増やした。

　順調に規模を拡大していく中、1998年、代表取締役社長に星野康一さんが就任すると、“利用のしやすさ”に着目した新たな事業展開を行っていった。株式会社に組織変更した2006年には、埼玉県上里町に初のロードサイド店をオープン。立ち寄りやすいロケーションと長時間営業で、早朝や夜間でも利用できると評判となった。その翌年には、日曜、祝日の即日仕上げサービスも開始し、本社工場には最新機器を導入した。「この業界は『装置産業』と言っても過言ではない。新しい機械や洗剤を導入することで品質、生産性は向上し、質のよいサービスを安く提供できる」と星野社長は話す。その後も埼玉県本庄市、伊勢崎市に工場を新設。現在は24店舗を運営するまでに成長した。

　元々同社は「星野洋服店」という洋服店から始まっており、「服はキレイにかっこよく着てほしい」という当時の思いが今でも受け継がれている。そのため、仕上げ作業へのこだわりは強く、日々技術の向上に努めているという。

　ここ数年、新店舗にはコインランドリーを併設させるなど新たなサービスにも着手している同社。今後も店舗を増やしていく中で、さまざまなニーズに応えるサービスを提供し続けていく。

7時～22時の長時間営業

　ロードサイド店の強みを生かし、7時～22時の長時間営業を行っている（一部店舗を除く）。朝でも夜でも気軽にクリーニングを出したり受け取ったりできる。

各種仕上げサービスの無料化

　「お預かりした衣類をキレイにしてお渡したい」という思いで、「しみ抜き無料」を常時実施。また期間限定で、春（今年は7月2日まで）はドライクリーニングの「防虫加工」を無料、夏（7月～12月初旬）は「汗抜きクリーニング無料」を行っている。

洗い分けを徹底

　色移りを防ぐため、水洗いは白・黒・中間色を分けて洗う。特に、白いものはより白く洗い上がるように白色専用の洗剤を使用している。

■同社は今年から、ザスパクサツ群馬のオフィシャルサプライヤーとして、試合ユニフォームのクリーニングを伊勢崎工場で行っている。

■会社のロゴマークは、40年前に都内のデザイナーに依頼して作成。「お客様のキレイをサポートしたい」という思いから、美しさを表す鳥としてフラミンゴを採用した。

　クリーニング工場ではどのような作業を行っているのか、2016年に新設した店舗併設の伊勢崎工場を取材した。

❶午前中、前橋市・伊勢崎市内の店舗で受け付けた衣類が工場に届く。即日仕上げのものは、前日に受け付けたものと合わせて、夕方までに仕上げて各店舗へ。繁忙期にはYシャツ900点、ドライクリーニング品1,000点もの量が届くことも。

❷届いた衣類には、店舗でチェックした汚れや傷み具合などを記入した伝票が付けられていて、それらと実物を見ながら洗い方を選定。毎日膨大な枚数が届くYシャツは水洗いした後、専用のプレス機で１枚１枚仕上げていく。

❸Yシャツ以外のさまざまな衣類は万能プレス機へ。巧みにプレス機を操作し、衣類に合わせて適切な折り目をつけていく。異なる種類の衣類でもみるみるうちにピシッとキレイに仕上げていく様は、まさに職人技だ。

❹仕上がった衣類は検品をしながらラッピングし、仕分けて各店へ配送。毎日が納期という多忙な中でも、1点1点に対して丁寧な作業が行われている。そしてまた、各店で日中に受け付けた衣類が続々と工場に届けられる。

【取材協力】株式会社クリーニングホシノ　本社／藤岡市藤岡1752-1