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【BUSINESS】
地元企業に潜入取材!! 「株式会社登利平」
2017.11.23

 群馬県民なら誰もが知っているあんなものやこんなもの……。それらを製造する地元企業の歴史やこだわりを紹介。今回は、スポーツ大会や地域のイベントの昼食の定番「上州御用鳥めし」を製造・販売する「株式会社登利平」をご紹介。鳥めしの誕生秘話や、同社のこだわりを取材した。群馬県民の“ソウルフード”といっても過言ではない鳥めし。その魅力に迫る。

群馬県民から広く愛される“鳥めし”を
年間360万食売り上げる老舗企業

 「株式会社登利平」は前橋市に本社を置く食品会社。昭和の初め、前橋市に鶏肉販売店として開業。1953年にのれん分けし、小料理屋「登利平」を開店した。当時、人気メニューだったのが「鳥重」。厳選された国産の鶏肉と米、秘伝のたれを使い、その味は常連客を中心に評判を呼んでいたという。その「鳥重」を外でも味わいたいという要望も多かったことから、試行錯誤を重ね、気軽にテイクアウトできる弁当「上州御用鳥めし」を開発。1972年には「有限会社登利平」を設立し、弁当業界に本格参入した。多くの注文にも対応できるようにと「調理センター」の稼働を開始すると、鳥めしの人気はさらに加熱。弁当の分野で初めて「群馬県優良県産品」に推奨されるなど、群馬県全土で親しまれる“上州の味”に成長した。

 看板商品「上州御用鳥めし」の認知度が高まる中、1977年には「株式会社登利平」に組織変更。1991年には本部受注配送センターが完成し、大量注文の発生するスポーツ大会などが多い時期でも柔軟に対応できる生産設備が誕生した。配達以外にも、弁当のテイクアウト専門店「お持ち帰り処」や、創業時の人気メニュー「鳥重」を再現した「鳥めし重」、国産ウナギを使用したうな重などを店内でいただける「お食事処」がある。現在、これらの店舗は群馬県を中心に、埼玉県、栃木県にも進出し、計32店舗。創業当初、わずか十数人だった社員も約600人になった。弁当の生産は時代と共に工場生産へと変わったが、当時と変わらぬ伝統の味を守り続け、現在も多くの人々に広く愛されている。

受け継がれる秘伝の味

 上州御用鳥めしの味の決め手となっているのが秘伝のたれ。そのレシピは門外不出で社内でも知る人は少ないという。創業当時から変わらない“登利平の味”は、半世紀に渡り今も受け継がれている。

県内全域をカバーする驚異の対応力

 県内全域に配達を行っており、まとまった個数の注文ならほかの業者が断るような場所でも可能な限り要望に応えるという。また、イベントなどの注文時、天候によっては当日の朝までキャンセルを受け付けるという対応力の高さは同社ならでは。

株式会社登利平のトリビア

登利平のロゴマークの円の部分は、「と」と親鳥。右下の線は「り」とひな鳥を表現している。「平」の字は客と従業員、会社の3者が平らに幸せであるようにという願いが込められている。

鳥めしが冷めてもおいしいのは、作られてから4~5時間たつと、たれと肉汁が混ざり合いマイルドな味わいになるようにしているから。

本部受注配送センターの食堂には、従業員しか食べられない調理過程で出た端肉を使った幻のメニューが存在するのだとか。

「上州御用鳥めし」が手元に届くまで

登利平のメインキッチンともいえる「本部受注配送センター」は、1時間に7,000食の製造が可能で、大量注文にも柔軟に対応。現在はオンライン注文システムも導入し、徹底した衛生管理の元、安定した味を提供している。

「上州御用鳥めし」の味わいの秘密は、こだわりの食材にもある。素材は国産ブレンド米と新鮮な国産ひな鶏を使用。厳選された素材を手間ひまかけて調理し、秘伝のたれと合わさったとき、なんとも言えぬ絶妙な味のバランスが生まれる。

同センター内では素材の下処理などの一次加工の後、調理や盛り付けなどの二次加工が特注の機械や人の手で行われる。包装された鳥めしは、ベルトコンベアーで隣接する配送エリアへと運ばれ、配送車へと積み込まれる。

さまざまな過程を経て完成した「上州御用鳥めし」は、女性や子供でも片手で縦に持って食べられるようにパッケージのサイズも工夫されている。この形や上毛三山の描かれた包装紙は発売当初から今も変わらない。

【取材協力】株式会社 登利平 本社/前橋市公田町667-2

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