群馬よみうり
群馬を楽しむ情報マガジン「タウンぐんま」


ピックアップ-G
【HUMAN】
県内各地で活躍する地域おこし協力隊
vol.38
2023.06.02

 人口減少や高齢化に悩む地方に都市部から人を呼び込み、1年~3年の任期で地域活動に協力しながら定着・定住につなげることを目的とする「地域おこし協力隊」。2009年より総務省が始めた制度で、群馬県内でもさまざまな年代の隊員が活動している。このコーナーでは、まちの未来を盛り上げるべく日々奮闘する隊員たちにスポットを当て、地域ごとに紹介していきたい。

夫婦二人三脚で健康づくりのサポート
嬬恋村民に運動の魅力や楽しさ伝えたい

嬬恋村・地域おこし協力隊 辻本 哲也さん・辻本 麻里子さん

 日本一のキャベツ生産量を誇る嬬恋村。観光アクティビティーも盛んな地域だが、村民の健康問題に懸念があるという。そんな同村で今年4月から住民の健康増進に携わるのが辻本哲也さん、麻里子さん夫妻だ。フィットネストレーナーとして活動していた2人に、隊員を目指した理由などをうかがった。

PROFILE

 哲也さんは奈良県、麻里子さんは群馬県出身。哲也さんはバスケットや陸上、麻里子さんは水泳やバドミントンなど2人とも幼少期からスポーツに親しんできた。休日はトレーニングやドライブを楽しんでいる。

 

【嬬恋村 未来創造課Facebook】https://www.facebook.com/Tsumagoivillage.miraisozo/
【地域おこし協力隊Facebook】https://www.facebook.com/tsumatai/

——今までの経歴と地域おこし協力隊を目指したきっかけを教えてください

哲也さん:奈良県内の高校を卒業後、大阪府の「リゾート&スポーツ専門学校」へ進学し、地元のスポーツクラブに入社しました。2017年に転職し、埼玉県熊谷市のスポーツクラブへ。ここで妻と知り合い、結婚しました。その後、2人でスタジオを構えたいとの思いから21年にフリーランスのインストラクターに転向しました。
麻里子さん:県内の高校を卒業後、インストラクターとしてスポーツクラブに入社。17年にフリーランスとなり、県内や埼玉のスタジオ等で活動していました。夫とスタジオを構えるにあたって色々調べている中、嬬恋で健康増進業務に携わる隊員を募集しているのを知りました。資格取得のための研修が受けられることにも魅力を感じ説明会へ参加。現地の環境や人の良さに心を打たれ、その日のうちに応募を決めました。

——村民の健康問題とは何ですか。また、具体的にどんな活動を行っていますか

哲也さん:嬬恋はキャベツの一大産地ですが、農家の皆さんは農繁期である夏と農閑期となる冬での体重増減が著しい。子供たちも登下校は車送迎が多く、積雪期の運動機会が少ないといった状況です。高齢者の健康寿命延伸や介護予防も課題の1つ。そのため、全世代を対象に日常的な健康づくりに取り組んでいます。
麻里子さん:村では現在、総務省の「地域活性化起業人」制度を活用し、全国でスポーツクラブなどを展開する「株式会社ルネサンス」と提携。インストラクターを招き、さまざまな健康プログラムを実施しています。その体操教室に私たちも指導役として参加しているほか、スキルアップを目指して指導員研修や資格取得に励んでいます。

——印象に残るエピソードはありますか。今後の目標についても教えてください

哲也さん:多世代を対象としたスポーツイベント「嬬恋フィットネスフェスタ」を春夏秋冬で行っており、着任早々5月開催の運営に携わりました。多くの交流が持て、私たちが資格を持っているエクササイズプログラム「レズミルズ・プログラム」の体験会も実施することができました。今後も地域との関わりを増やし、自分たちの得意分野と村民のニーズを融合させた独自の運動プログラムが作れたらと考えています。
麻里子さん:教室で参加者から「楽しかった」「また来るわ」と言ってもらえるとうれしいですし、やりがいを感じます。運動に慣れていないと恥ずかしいといった感情が先行しがちですが、運動が苦手なことや、できないことも含めて楽しんでもらいたい。そのため多角的な方法で体を動かすことの魅力を伝えていけたら。地域住民が集える場所となり、また健康づくりの拠点となるような施設が作れたらとも夢見ています。

嬬恋村ってどんなところ?

 県北西部、長野県との県境に位置する高原地帯で、高原野菜の産地として知られます。万座温泉など多様な泉質が楽しめる温泉のほか、観光スポットやレジャー施設も充実するリゾート地です。現在は私たちを含め20人の隊員が活動しており、農業や観光事業に従事しています。

こんなところが嬬恋村の魅力!

 景観や空気が美しく、空が近いところ。水がおいしいからご飯もおいしい。静かなので夜はぐっすり眠れますし、アップダウンのある土地は絶好のランニングスポットです! 助け合いの精神にあふれた住民が多いので、困ったら力になってくれるなど人の温かさにも癒やされています。

辻本夫妻に聞く! おすすめスポット
居酒屋たっちゃん

 昼間はラーメン屋、夜は居酒屋と二刀流がポイントの同店。昼間に提供するラーメンは熊本系のとんこつラーメン(900円~)で、臭みがなくあっさりとした味わいが楽しめる。夜は鮮度にこだわった海鮮料理を多彩に提供。中でも、旬の素材を使った刺し身(1,280円~)がおすすめだ。

 

【住所】嬬恋村鎌原鬼の泉水1445-149
【営業時間】昼/11:00~14:00、夜/17:30~23:00
【休み】月曜
【問い合わせ】090-8098-5149

辻本夫妻に聞く! おすすめイベント
湯の丸高原つつじ祭

 嬬恋村と長野県にまたがる湯の丸高原では、毎年6月上旬~7月初旬にレンゲツツジが見頃を迎える。山肌を朱色に染め上げる約60万株のツツジは、関東随一と称されるほど。開花に合わせ6月25日には各種イベント(10:00~15:00)が開かれる。

 

【期間】6月9日(金曜)~7月2日(日曜)
【場所】湯の丸高原第一リフト一帯・つつじ平
【営業時間】つつじ祭期間中のリフト運行は6月15日〜7月2日の8:30~16:30(天候により運休の場合あり、有料)
【問い合わせ】嬬恋村観光協会  0279-97-3721

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