群馬よみうり
群馬を楽しむ情報マガジン「タウンぐんま」


ピックアップ-G
【HUMAN】
県内各地で活躍する地域おこし協力隊
vol.39
2023.07.14
ピックアップ-G  下仁田町

 人口減少や高齢化に悩む地方に都市部から人を呼び込み、1年~3年の任期で地域活動に協力しながら定着・定住につなげることを目的とする「地域おこし協力隊」。2009年より総務省が始めた制度で、群馬県内でもさまざまな年代の隊員が活動している。このコーナーでは、まちの未来を盛り上げるべく日々奮闘する隊員たちにスポットを当て、地域ごとに紹介していきたい。

新規就農を歓迎してくれるこの地で
下仁田ネギの伝統栽培を守り継ぎたい

下仁田町・地域おこし協力隊 澤 祐介さん(45)

 加熱することで特有の甘みと軟らかい食感を生む下仁田ネギ。全国的にも有名な下仁田町の伝統野菜だが、近年は地元農家の廃業や高齢化が著しい。そんな同町で新規就農にチャレンジしたのが澤祐介さんだ。もともと農家になるのが夢だったという澤さんに、同町の協力隊員を目指した理由などを聞いた。

PROFILE

 自身で立ち上げたホームページ「クローバーファーム」で下仁田ネギを販売するほか、下仁田ネギの特徴や魅力、栽培の様子などをYouTubeで動画配信している。趣味は読書、特に歴史小説や司馬遼太郎作品が好き。三児の父。

 

【HP】http://cloverfarm.stars.ne.jp/main/
【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UCHKhFXjSGwMlLW_VvlCt-Qg

——今までの経歴と地域おこし協力隊を目指したきっかけを教えてください

 出身は埼玉県深谷市です。大学卒業後はアパレル関係の仕事などに就き、さまざまな地域で働いていました。結婚を機に前橋市へ転居し会社勤めをしていたのですが、元々体を動かすことや野菜を育てることが好きで、いつか農業をやりたいと思っていました。長野県へ農業の勉強をしに行き、就農についても色々調べる中で、下仁田町で伝統野菜の生産に携わる地域おこし協力隊を募集していると知りました。すぐに問い合わせて話を聞きに行くと、役場や農家の皆さんが親身になって相談に乗ってくれたんです。ここなら初心者でも安心して就農できると思い、応募を決めました。

——隊員としてどんな活動を行っていますか。また、印象に残っているエピソードはありますか

 私は2020年12月に着任したのですが、その時期はちょうど下仁田ネギの収穫シーズン。最初は受け入れ先農家(師匠)の下へ通い、研修を受けました。出荷がひと段落つくと、ほかの作物の栽培についても学びながら自分の畑を借り、自立に向け動き始めました。借りた畑は耕作放棄地でかなり荒れていたのですが、近隣の方々が一緒に開墾を手伝ってくれとてもありがたかったです。下仁田では自家採取した種を使ってネギを育てているのですが、1年目は師匠から種をもらい、栽培について教わりながら自分の畑で実践しました。着任1年後には約1,000本のネギが育ち、ECサイトを中心に販売。全国各地から注文が入り、「今まで見たネギの中で一番太い」「おいしすぎてリピートした」といった声もいただくことができました。自分で作った野菜が売れたことに大きな喜びを感じましたし、同時に「いいものを作らなければ」という責任も感じました。

——今年の11月で任期終了とのことですが、今後の目標は何ですか

 3年目となる今年は7,000㎡の畑を借り、約65,000本のネギを育てています。まだまだ収益が少ないので販路拡大に取り組むほか、ナスや白菜、キャベツといったネギ以外の野菜の栽培にも取り組んできました。でも、畑の水はけが悪かったり肥料が足りなかったりと失敗の連続。大変な部分も多いですが、やればやっただけ自分に返ってくるのが農業の魅力でもあるので、知識と経験を重ね、農家でしっかりと生計を立てられるよう独り立ちしていきたいです。また、一般的なネギが半年くらいで生育するのに対し、下仁田ネギは種をまいてから収穫までに15か月かかります。植えたネギ苗は夏場に手作業で1本1本植え替えるなど、とても手間のかかる野菜です。しかし、この細やかな作業こそが下仁田に代々伝わる伝統農法。これからもこの伝統を守り継ぎ、おいしい下仁田ネギを作り続けたいです。

下仁田町ってどんなところ?

 県南西部の長野県境に位置し、古くから関東と信州を結ぶ交通の要衝として栄えました。自然豊かな町で、下仁田ネギやこんにゃくが特産品として有名。町内には、日本最古の西洋式牧場「神津牧場」や世界遺産「荒船風穴」など自然や歴史に触れられるスポットが充実しています。

こんなところが下仁田町の魅力!

 上信電鉄「下仁田駅」を中心に商店街が形成され、駅前ではレトロな町並みを楽しみながら多彩な下仁田グルメを味わうことができます。地域行事が盛んで、人と人との距離が近いところも魅力。地元の方々とは自然と仲良くなれましたし、さまざまな場面で助けてもらっています。

澤さんに聞く! おすすめスポット
食堂 一番

 1964年創業の中華料理店。二代目店主は元々、地域おこし協力隊員で同店の継承を目的に9年前に川崎から移住した。おすすめは野菜たっぷりのタンメン(650円)と皮から手作りする餃子(450円)。

 

【住所】下仁田町下仁田362
【営業時間】11:00~14:00、17:00~19:00 ※材料がなくなり次第終了。
【休み】3の付く日(3日、13日、23日)
【P】徒歩1~2分のところに観光無料駐車場あり
【問い合わせ】0274-82-2594

澤さんに聞く! おすすめイベント
「荒船風穴」見学者にソフトクリーム引換券プレゼント

 下仁田町では現在、荒船風穴を見学すると隣接する神津牧場のソフトクリームが無料でもらえる引換券を進呈中。また、観光タクシーが無料で利用できるキャンペーンも実施中(要予約)。

 

【日時】11月30日までの予定 9:30~16:00(最終受付15:30)
【見学料】大人500円、高校生以下無料 ※水曜はソフトクリームの販売を行っていないため「飲むヨーグルト」か「カップアイス」との引き換え。
【問い合わせ】下仁田町役場  0274-82-2111

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