群馬県で活躍するさまざまな“輝く人”を紹介するコーナー。今回は、書道家で高校教諭の栗原正峰さん。枠にとらわれない筆使いの作品を書きながら、培った人脈を生かしてアパレルや音楽バンドともコラボレーションを行っている。その原点は「教育」。伊勢崎市教育アンバサダーとしても活躍する栗原さんの、将来を担う若者たちへ向ける眼差しを追った。
自らも書で挑戦を続ける熱血先生
書道家 栗原 正峰さん(44)
PROFILE
1976年6月15日生、本名は正博。伊勢崎市出身・在住、埼玉県の高等学校教諭。6歳で筆をとり、中断時期を挟み28歳で書の道に戻った後、書とアートが交じる独自のスタイルを模索。2011年「現日書展」大賞受賞。2013年フランスの公募展「ル・サロン」ほかに入選。伊勢崎銘仙のキャップのプロデュースや、バンド「ラッコタワー」のドラムデザイン、雑誌などのタイトル文字も手掛ける。2017年から同市教育アンバサダー。
教育者となって書が支えに
書道家の祖父の下に生まれ、小学生で筆を手にするが、中学・高校では野球に夢中になった。東京農大二高に通い、1994年夏の甲子園出場時は中継ぎ投手だった。引退後は教員を目指し大学へ進学。卒業後は埼玉県の高校教諭となり、27歳の時、バスケットボール部の顧問に就任した。この時「甲子園出場」という経歴が全く生徒に通じず、また学校が荒れていた時期と重なって、築いてきた自信が崩れかけたという。
悩みながら「自分を見つめ直す時間を」と改めて筆を持ち、日本文化が伝えてきた精神性の大切さを感じた。生徒たちに礼節や思いやりについて熱く根気よく伝えると、その意志をくんだ部員の1人が埼玉県選抜選手に選ばれ、大学では国体に出場。さらにプロを目指してアメリカへ行くことになり、その支援にも奔走した。
独自の表現を推進する
教え子の渡米に真剣に向き合った結果、「夢を持った若者が育つ教育現場を作りたい」と強く思うようになった。自身も教師の仕事をしながら、書でさまざまな挑戦を続け、生徒たちにその背中を見せている。
型にはまらない「創作書道」に魅せられて学ぶようになり、「現日書展」へ2度目の出展で大賞を獲得したのは35歳の時。評論家の目に留まり、銀座の画廊で個展を開いた。書道界において35歳の若さで銀座での初個展は珍しく「異端児」といった扱いも受けたという。そんな反応を物ともせず、海外の芸術公募展に出展し入選を果たした。「日本で認められるには、世界で認められることが先決」との考えだった。また「自立した書道」を目指すグループ「風草舎」を結成。年齢や経験に関係なく、同じ立場で学び合う場となっている。
栗原さんの書で甲骨文字の「繭」を刺しゅうした伊勢崎銘仙のキャップ
これからの目標は、教育者を育てる場を作ること。「子供たちがどうすれば真っ直ぐにやる気になるのか、変化する世の中で若い先生が考え方に悩んでいるのを感じる。子供の持つ背景を知り、向き合えるヒントを伝えることで、教育は今より良くなる」と迷いなく話す。自身も教育の場に立ちながら、破天荒な書道家は次代を担う星を応援していく。
■ 栗原さんの「書」の目指すものは
書道を知らない人にも伝わる、ひと目で「おっ」と感じてもらえるものを書きたい。文字の意味を表すため、大きく崩したり、筆を押し上げたり、紙に収まらない運筆を使うこともあります。構図を考えると作為が出てしまい、見る人に考えさせてしまう。そうしたことを排するには、ひらめいたときに書けるのが理想です。
■ 書の難しさ、面白さは
墨と紙だけで表現するところです。墨の黒と紙の白の2色の中で「かすれ」「しぶき」といった動きを伴って立体感のある表現ができるのが、筆にしかできない特徴で、面白味だと思います。
■ これまでの作品で印象に残っているものは
秩父三十四観音霊場を訪ね、それぞれの寺院のイメージを表現した連作は、教え子のバスケ渡航費の支援とも重なり、大切な経験になっています。
■ 休日の過ごし方は
平日は学校で教え、夜は大学院の研究と勉強をしています。土・日曜は書道に向き合ったり、博士論文の執筆をしたり。何より家族との時間を大切にしています。
■ モットーは
「一生懸命」「やると決めたら絶対やる」です。
【日時】3月24日~28日10:00(24日は13:00)~18:00(28日は16:00)
【会場】LABI1 高崎 Art Gallery
【住所】高崎市栄町1-1
【料金】入場無料
【問い合わせ】LABI1 高崎 Art Gallery 027-345-8878
【HP】風草舎 https://fusosha2015.wixsite.com/fusosha
「自己表現としての書・芸術としての書」を通じ、世界中を笑顔にしようと集まった「風草舎」のメンバー11人が、それぞれの近作を展示する。漢字ばかりでなく、英語や古代文字もモチーフにした自由度の高い作品が30点以上並ぶ書道アート展になる。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします
- BCリーグ
- eスポーツ
- FM GUNMA
- うどん
- おでかけ
- おもちゃ
- ぐんまちゃん
- ひな祭り
- みどり市
- みなかみ町
- めんたいパーク群馬
- わたらせ渓谷鐵道
- アウトドア
- アクエル前橋
- アクティビティー
- アスレチック
- イベント
- カフェ
- カレー
- キッチンカー
- キャンプ
- キングオブパスタ
- クラフトビール
- グランピング
- グルメ
- コロナ対策
- コーヒー
- ゴールデンウィーク
- ショッピング
- スイーツ
- スポーツ
- スマーク伊勢崎
- テイクアウト
- テーマパーク
- ディナー
- ドライブスルー
- ニューオープン
- ハンバーグ
- バスケットボール
- バーベキュー
- パスタ
- パン
- パンケーキ
- ホットランド
- ランチ
- リニューアル
- レストラン
- 下仁田町
- 中之条町
- 人気商品
- 伊勢崎市
- 体験
- 公園
- 前橋市
- 動物
- 動物園
- 千代田町
- 大泉町
- 太田市
- 子供と行きたい
- 安中市
- 富岡市
- 工場見学
- 新商品
- 明和町
- 有鄰館
- 桐生市
- 桜
- 森林浴
- 沼田市
- 渋川市
- 温泉
- 無料
- 甘楽町
- 白井屋ホテル
- 県内初出店
- 神流町
- 紅葉
- 群馬クレインサンダーズ
- 群馬ダイヤモンドペガサス
- 群馬県
- 花
- 花見
- 華蔵寺公園
- 藤岡市
- 見学
- 親子
- 観光
- 赤城山
- 遊具
- 遊園地
- 道の駅
- 道の駅まえばし赤城
- 邑楽町
- 雑貨屋
- 音楽
- 館林市
- 高崎市
- 高崎芸術劇場
- 高崎駅