左：髙橋 雛乃さん、右：北村 光さん

　スポーツの世界で活躍する、群馬ゆかりの選手を紹介するスーパーG（ぐんま）アスリート。今月は、群馬県100㎞駅伝競走大会（県、12市、県スポーツ協会、群馬陸協、読売新聞東京本社主催）で活躍した若手ランナー、髙橋雛乃さん（富岡・甘楽）と北村光さん（桐生）にインタビューした。地域ごとに編成された14チームが競う中、ともに区間賞に輝いた2人の強さに迫る。

髙橋 雛乃さん（甘楽中3年：甘楽町在住）

CAREER

競技歴：3年

　第45回 全日本中学校陸上競技選手権大会 1500m 出場（2018年）、第54回 群馬県中学校総合体育大会 陸上競技 800m 第1位、同大会 1500m 第1位（2019年）、第27回 全国中学校駅伝大会 チーム13位 個人区間14位（2019年）

　髙橋さんは富岡・甘楽代表として100km駅伝に初出場、中学生女子区間の1区を任された。スタートから中盤までは集団の中でペースを維持、終盤にスパートをかけて先頭に飛び出すと、見事1位で2区の茂原大悟選手にたすきを渡した。「終盤は疲れやつらい気持ちが吹き飛んで、力が湧いてくる。箱根駅伝も走った憧れの茂原選手に１位でたすきを渡せて、すごくうれしかった」と笑顔がこぼれた。

　快走した髙橋さんだが、本番前は100㎞駅伝向けの練習時間があまり取れず不安に駆られたという。自信を取り戻すため、陸上を始めてからの練習の積み重ねを思い出し、「自分のためではなくチームのために良い順位を取ろう」と気持ちを奮い立たせたことが、区間賞の走りにつながった。

　中学で陸上部に入った時は、走ることは得意だったが強い思いはなかったという。しかし、2年生の時のけががきっかけで陸上への情熱が生まれた。仲間が大会に向けて練習する中、自分だけ走れない状況が長く続きつらかった。県大会前月に練習を再開すると走れるうれしさを強く実感、県大会で好記録を出して初めて全国大会へ出場した。「この時、陸上をやっていて良かったと心から思った」と話す。

　高校でも陸上を続けるという髙橋さん。「目標はもちろんインターハイ出場。得意の終盤だけでなく前半から積極的な走りができるように練習したい」と瞳が輝いた。

北村 光さん（樹徳高3年：桐生市在住）

CAREER

競技歴：6年

　第71回 全国高等学校総合体育大会陸上競技大会 3000m障害 第4位（2018年）、関東高等学校陸上競技大会 1500m 第2位、同大会 3000m障害 第1位（2019年）、第72回 全国高等学校総合体育大会陸上競技大会 3000m障害 第3位（2019年）

　北村さんが100km駅伝で走ったのは今年で3回目。2大会連続で最長区間の8区を任され、「強い選手がそろう区間で自分がどれだけ頑張れるか、燃えていた」と話す。7位でたすきを受けた北村さんは4人を抜き、区間1位の走りで桐生は3位に浮上。チームの準優勝に大きく貢献した。「ほかの選手が疲れてくる後半の上りに力を入れて走った。チーム目標の3位と、個人目標の区間賞を達成できて良かった」とレースを振り返る。

　北村さんが陸上を始めたのは中学生の時。小学生の頃から走るのが好きで、陸上をやっていた兄の影響もあり、友達と一緒に陸上部に入部した。高校では、1年まで1500m、5000mを本種目にしていたが、2年の4月から5000mを3000m障害に変更。その年のインターハイでは3000m障害で4位に入賞し、「ここまでできるとは思わなかったのでびっくりした。入賞が自信になり、この種目に強い気持ちで臨めるようになった」と語る。

　自身の強みを「大きな大会になるほど結果を残せるところ」と話す。最も印象に残っているという3年のインターハイでも、悪天候の中3位に入り、念願のメダルを手にした。

　高校卒業後は早稲田大学への進学が決まっている。「大学では走る距離や練習量が増えるので、スタミナを強化していきたい。箱根駅伝では山登りの5区を走り、総合優勝をしてみたい」と目標を力強く語った。