群馬県民なら誰もが知っているあんなものやこんなもの……。それらを製造する地元企業の歴史やこだわりを紹介するコーナー。今回は、お中元やお歳暮などで定番のガトーラスク「グーテ･デ･ロワ」を製造･販売する「株式会社原田･ガトーフェスタ ハラダ」をご紹介。「グーテ･デ･ロワ」の誕生秘話や、同社のこだわりを取材した。今や全国の“贈り物の定番”といっても過言ではない「グーテ･デ･ロワ」。その魅力に迫る。

　「株式会社原田･ガトーフェスタ ハラダ」は高崎市に本社を置く製菓会社。1901年に和菓子店「松雪堂」として開業。1946年に製パンに着手すると、そのノウハウを生かして洋菓子の販売も開始。和菓子も洋菓子も扱う“地元のお菓子屋さん”として地元民から愛されていった。その後、1952年に「有限会社原田本店」に社名を変更。1965年には、学校給食向けのパン製造にも参入し、業績を伸ばしていった。しかし1990年代のバブル崩壊で状況は一変。主力商品であった低価格帯の“おやつ菓子”の販売が落ち込み、業績も右肩下がりに。業績回復を図るためにまず着手したのが和菓子の新商品。しかし和菓子は暑さに弱く、日持ちしないため、夏場の販売が伸びずに翌年の需要期まで忘れられてしまうという欠点があった。そこで以前から製造していたラスクに着目。「こだわってラスクを作ればパイよりもおいしくなる」という秘めた思いから試行錯誤を重ね、「グーテ･デ･ロワ」を開発した。2000年1月の発売を機に、洋菓子部門「ガトーフェスタ ハラダ」を立ち上げ、百貨店の物産展などに出店し始めた。するとクチコミで人気に火が付き、同年の暮れには店舗に行列ができたという。

　高まる需要に応えるため、2002年に最初のガトーラスク生産工場を竣工。2003年「株式会社原田」へと組織変更し、同年に「全国菓子博覧会金賞」を受賞すると、県外にも積極的に出店。知名度は全国区となっていった。2013年には最新機器を設備した高崎工場が完成し、高品質な商品を安定して供給できる生産拠点が誕生した。現在は、北は北海道、南は九州まで24店舗を展開し、「グーテ・デ・ロワ」は贈り物の定番として欠かせない存在となった。

高品質で安定供給を実現する生産ライン

　最新鋭の機械を導入し、生地作りから梱包までをほとんど人の手を介さない独自の生産ラインを構築。品質は落とさずに低コスト化と効率化に成功し、1日に約150万枚～200万枚のガトーラスクの生産を行っている。

感動を生む商品力と接客力

　感動を生むことが商品力の全てであるという考えから、品質管理だけでなく、1つひとつの商品にストーリーを込めて開発している。また、感動を提供する接客マナーなど、社員教育を徹底して行っているというのも同社のこだわり。

■予約なしで見学できる本社工場では、オーブンに入れる前のグーテ・デ・ロワをあぶってキャラメリゼした「クーデ･デ･ロワ ブリュレ」という非売品のお菓子が食べられる。

開館日

月曜～土曜（祝日含む）10：00～17：00（入場は16：40まで）

休み

日曜、2018年1月1日、2日

料金

無料

※10人以上で見学する場合、要予約。

❶同社の中枢ともいえる高崎工場「シャトー･ドゥ･クレアシオン」。最先端設備を集結した工場で、「グーテ･デ･ロワ」を始めとした商品の製造のほか、商品開発部門も備えており、物流の拠点にもなっている。

❷ガトーラスクの元となるフランスパンは、地元の製粉メーカーと共同開発したオリジナルブレンドの小麦粉を使用。ガトーラスクにした際に、サクサクとした食感とバターの芳醇な香りがバランスよく感じられるように自社で焼き上げている。

❸焼き上がったフランスパンを薄くスライスし、バターとグラニュー糖を塗布。時間と温度を厳密に管理したオーブンで焼き上げ、ガトーラスクに仕上げられる。その後、ロボットによる選別と品質チェックを経て全国の店舗へ出荷される。

❹さまざまな工程を経て完成した「グーテ･デ･ロワ」。「王様のおやつ」という意味の名を持つこのガトーラスクは、品質やパッケージデザイン、包装に至るまで、贈る側にも贈られる側にも感動を与えられるようにというこだわりが込められている。

【取材協力】株式会社原田･ガトーフェスタ ハラダ
本社／高崎市新町1207　問い合わせ／0120-060-137

2017.11.23【株式会社登利平】