群馬よみうり
群馬を楽しむ情報マガジン「タウンぐんま」


ピックアップ-G
【HUMAN】
県内各地で活躍する地域おこし協力隊
vol.34
2023.02.10
ピックアップ-G  安中市

 人口減少や高齢化に悩む地方に都市部から人を呼び込み、1年~3年の任期で地域活動に協力しながら定着・定住につなげることを目的とする「地域おこし協力隊」。2009年より総務省が始めた制度で、群馬県内でもさまざまな年代の隊員が活動している。群馬の輝く人を取材する「HUMAN G」、2023年は群馬の未来を盛り上げるべく多彩な力を発揮する隊員たちにスポットを当て、地域ごとに紹介していきたい。

“梅と共に生きる”覚悟で安中市に移住
農家の高齢化が進む秋間梅林を残したい

安中市・地域おこし協力隊 黛 若葉さん(36)

 地域おこし協力隊シリーズの2回目は、安中市の秋間梅林で活動する黛若葉さんを紹介する。「ぐんま三大梅林」の1つに数えられる秋間梅林だが、近年は携わる人たちの高齢化で存続が危ぶまれているという。そんな梅林で日々奮闘する黛さんに、隊員を目指したきっかけや今後の目標を聞いた。

PROFILE

 群馬県高崎市生まれ。地域おこし協力隊として活動する傍ら、「群馬イノベーションスクール」「ぐんま観光リーダー塾」「ぐんま6次産業化チャレンジ塾」といったビジネススクールに通い研さんを積む。趣味はキャンプ、登山など。

 

【Instagram】https://www.instagram.com/wakaba.ma/
【Facebook】https://www.facebook.com/wakaba.mayuzumi
【Note】https://note.com/mikeneko1004/
——今までの経歴と地域おこし協力隊を目指したきっかけを教えてください

 地元の大学を卒業後、前橋の広告代理店に営業職で入社しました。3年ほど勤めた後、自然学校やキャンプ場を運営している父の影響もあって、同市内の国立青少年教育施設に転職。ここでは5年ほどお世話になったのですが、そこで知り合った地元生産者と農業主体のNPO法人を立ち上げることになり、事務局長として働かせてもらいました。その後、双子の姉が秋間梅林で就農したこともあり、手伝いで梅林を訪れる機会が増えたんです。そのつながりから、梅林の農泊事業を推進する事務局員として雇っていただくことに。携わる中で秋間梅林の魅力や現状を知り、力になりたいと思い始めました。とはいえ、長年住んだ前橋への思い入れも強く、街を離れる決断ができなかった。悩んだ末、「梅と共に生きる」という気持ちが勝り、地域おこし協力隊に応募しました。

——隊員としてどんな活動を行っていますか。また印象に残る活動は何ですか

 着任1年目は枝切りや草刈り、収穫など梅の栽培方法を知ることから始まりました。秋間梅林観光協会で耕作放棄地となっている9つの畑を借りてもらい、一緒に活動する隊員と慣行栽培と農薬不使用栽培に挑戦しています。また、PR活動としてSNSを使った情報発信やイベント出店に力を入れるほか、飲食店などを回って梅の販路拡大にも取り組んでいます。印象に残っている活動は、昨年1月に秋間梅林で開催された「第5回全国ウメ生産者女性サミット2022 in あんなか」です。県内を始め全国の梅農家と交流が持てたことや、梅加工業者と意見交換できたことは大きな収穫になりました。そのおかげで、昨年起きた降ひょう被害の時もいち早くほかの地域と情報を共有できました。

——残りの任期でやりたいことや目標を教えてください

 特に力を入れて取り組んでいきたいのが、6次産業化を進めることです。傷が付いてしまった梅などB品の活用や、飲食店に使ってもらうための商品開発にも着手できたらと思っています。同時に、剪定(せんてい)時に出る梅の木を薪にして活用してもらったり、炭にして畑の土壌改善に役立てたりするなど秋間梅林を循環型農園にする仕組みも検討中です。これらを通して農家の収入をアップし、新たな担い手を増やすことができれば。そのためにも、移住促進活動にも取り組んでいきたいですね。60年の歴史を持つ秋間梅林が100年後も200年後も続く場所になるように。私が今まで築いてきた経験や人脈をフルに生かして、これからも挑戦し続けたいです。

安中市ってどんなところ?

 県西部に位置する安中市は、年間通して温暖な気候に恵まれ、古くから交通の要衝として栄えてきました。温泉記号発祥の地である「磯部温泉」や「碓氷第三橋梁(めがね橋)」を始めとする鉄道遺産群など観光スポットが充実しているほか、季節ごとのイベントも多彩に行われています。

こんなところが安中市の魅力!

 外から来た人を優しく迎えてくれる温かさ! 地域の皆さんは、見た目がそっくりな双子の私たちを間違えることもなく、しっかり向き合ってくれていると感じます。行政とも距離が近いので、自分の意見や思いを直接伝えられるところも魅力だと思います。

黛さんに聞く! おすすめスポット
鳴門屋食堂

 黛さんが住む同市松井田町の坂本宿にある「鳴門屋食堂」。神奈川県から移住した夫妻が閉店していた食堂をリノベーションし、2020年に復活させた。中華料理を中心に、さまざまなメニューを提供。食べ応えあるボリューム感も好評という。おすすめは「港横浜サンマーメン」や「鳴門屋炒飯」。

 

【住所】安中市松井田町坂本936-1
【営業時間】11:00~13:30
【休み】水曜、第1・3木曜
【問い合わせ】070-4533-8310

黛さんに聞く! おすすめイベント
秋間梅林祭

 広大な丘陵地一面に紅白梅が植栽される秋間梅林で、花の見頃に合わせ毎年開催される「秋間梅林祭」。期間中は地元グルメが味わえる売店や各種イベントがずらり。梅林を散策できる遊歩道があるほか、2月24日から3月18日までの金・土曜は18時からライトアップも実施する。

 

【期間】2月18日~3月下旬
【会場】秋間梅林
【住所】安中市西上秋間672
【問い合わせ】安中市観光経済課 027-382-1111

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